例えばそれが詩というか。

ネット詩人、5or6。若いミュージシャンを応援したり、ラーメン食べたり、詩を書いたり。

ランジャタイM1決勝進出おめでとう!

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去年の11月.俺は長年の仕事の無理が祟り、右膝の半月板が潰れて手術して入院していた。
右足はゾンビ色をしていて血栓を防ぐために空気マッサージする機械をつけて一日中寝ている。病院のテレビは未だに1000円のテレビカードを買わなくてはいけないので見れない。
しかし丁度携帯のギガがキャンペーンで60ギガもあったのでインターネットは出来たし携帯のアプリで音楽を作ったりナンプレの本をクリアして暇を潰していた。しかし今後の仕事は出来るのか、うまく歩けるようになるだろうか、
不安で眠れない日もあり、激痛で寝れない日もあった。消灯時間も早く、周りにはブラジルさんや同じ膝の手術で入院している若者がいる。
何もない白い天井と周りを囲む白いカーテン。プシュー、プシューと空気マッサージの機械の音が鳴り響く。おもむろにヘッドホンを付けて携帯でYouTubeを見る。丁度M1の予選が配信していた。前までは予選の漫才は見なかった。
ただ決勝に出てきた漫才師だけみて笑って終わっていた。しかし今、俺は暇だ。なのでとりあえず初めて予選から漫才師の戦いを見た。みんな面白かった。何故落ちてしまうのかわからない程ネタは仕上がっている。ここからふるい落とされていく基準が笑いだけではない何かなのは素人ながら伝わった。そしてある動画にたどり着いた。そこにランジャタイがいた。ネタは谷村新司だった。最初は遠藤のホホホイみたいだな、と斜に構えて見ていた。が、ヒゲをホームランしたりする黄色ジャージの人にボソっと、バカみたい。と突っ込むのではなく感想を言う黒ずくめの男がいた。正にそのタイミングで思った事を代弁してくれた黒ずくめの人。黄色ジャージの人のパラレルワールドを否定もせず見守る唯一の傍観者。置いてかれそうになる世界観の橋渡しをする案内人、そして言葉と動きのイメージを具現化させる言葉の礼金術師。黒ずくめの人の、バカみたい、の一言で俺は静かな団体部屋を忘れて爆笑してしまった。そして、ハッと我に返って口を塞いだ。恥ずかしい、しかしもう止まらない。なかったらただの変な動きを延々と繰り返すしつこい人だったのがまるでジェームズブラウンのねちっこいファンクのように繰り返しフックがくる変態なネタになっていく。もう笑いが止まらなかった。隣のブラジル人のおじさんに大丈夫デスカ?と心配されてしまった。ヤバい、久しぶりに笑った。そういえば手術してから数日間、笑ってなかったなぁ。と気づいた。そして何だか肩の力が抜けたようにホッとした。世の中にはまだこんなバカな人達がいたんだ。と気付かされた。そしてこの掛け合いは漫才なのか?と疑問にものこったがそんなんどうでも良かった事は後にマヂカルラブリーが証明してくれた。
ともかく、その動画を見てからすぐにYouTubeでコンビ、ランジャタイを検索した。すると彼らのチャンネルが見つかり、片っ端からネタを見続けた。病院の部屋で枕で笑い声を押し殺しながら見続けた。さよならポンポン、太鼓寿司、宇宙の真理、イルカショー、バーベル、タイムトラベル、TMラーメン、ウィーン少年合唱団、などなど、こうしてランジャタイにハマり彼らが準決勝までいき、敗退するシーンも見た。錦鯉が初めて決勝に行った時、彼らと金属バットが自分らのように喜ぶシーンを見て感動して泣いたりした。錦鯉さんもザコシショウが初優勝後のネタ百連発の時、前座や司会で見てから面白い漫才師だとわかっていたから嬉しかった。余談ですがこのザコシLIVEの最初のDVDで俺の笑い声が入っているのは自慢です。
12月、まだ歩くにもままならなかったが何とか家でM1が見たい!ランジャタイが敗者復活戦に出る!応援しなきゃ!と気合いが入り、来年の一月までは入院のところを脅威的なリハビリと回復で何とか退院出来るようになった。これもランジャタイのおかげだ。そして敗者復活戦、彼らは敗れて最下位だったがお茶の間やお笑い関係者達に爪痕を残した。ここで黄色いジャージの人が言った国民最低が一つのキーワードだったのは間違いないと思う。この最悪な言葉を無邪気な笑顔で言い放つ彼を見てほっこりしてしまった。最下位だってこんなに輝けるんだ、と勇気も貰った。笑う事で生きる力も貰えた。俺はランジャタイを一年間応援していたが古くからのファン達は何年も彼らを信じていたんだと思う。彼らは自分を曲げずに何年も漫才をしていた。漫才じゃないと言われてもやりつづけてきたんだろう。その結果が遂に今年、現実となった。黒ずくめの人が言いつつづけてきた必ずM1決勝に行く。こんな夢みたいな事を実現させた二人に感動して深夜に結果を聞き、泣いてしまった。そんな黒ずくめの人。伊藤ちゃん。黄色ジャージの人。国ちゃん。M1決勝進出おめでとうございます。例え結果が何であれ俺はランジャタイを応援してます。

おしまい。