# サラダにアマガエルがいて
僕を見つめている
そっと僕の口に含んで
窓の外に口を向けると
小さなオシッコをして
草むらに飛んでいった
そのあと食べたサラダは
雨の味がした。
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きみがぼんやりする時間がなくなって
娘の導尿に毎日あけくれるようになって
娘は幼稚園できみの顔を書いて
そのメッセージに
ぼんやりするかあさんが好きと書いてあって
娘は自分のせいで忙しい母さんが
ぼんやり出来ている時があるのを嬉しいと思っているんだと思って
娘はわかっているんだなって 、
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瓶詰めにした言葉に
炭酸を混ぜる
ビー玉が転がる。
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白いタンポポが
きみの町に咲いていたから
僕の町に広げようと一株もらった
黄色いタンポポが咲く庭に植えたら
私みたいね
と君が笑った。
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俺の倍以上
いや
家族の9割は
娘が話している
2歳までは
無口だった
家族が
もう
ずーっと
寝るまで
なんか話している
空に
人形に
パーシーに
写真に
本に
テレビに
母さんに
話しているのを見て
俺はただ
頷いている。
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娘のおやつを夜中に食べて
ゴミ箱にそのまま捨てて
寝床に行って
朝早く仕事に行き
帰ってきて
一番に
おかえりと
笑顔で迎えてくれる娘に
ただいまいって
飯たべて
風呂入って
歯磨きして
娘を寝かせて
戻ると妻に
お父さんがおやつ食べちゃったと泣いてたよ
と怒られて
俺はただ
正座をしている。
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身体が不自由で生まれても沢山の愛情を貰える人がいて
五体満足で生まれても沢山の痣を作り死んでしまう人がいるんだね。
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きみの手が何本でも構わないから僕の指を握っておくれよ。
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普通に生きること
障がいがあり
生きること
その違いなんて
親には関係ないこと
子と。
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小学生の頃
帰り道で
追いかけっこして
いつも捕まえる寸前でダッシュする
お前が自殺した事を
幼なじみの上司に聞いた
捕まえた事は
あんまり覚えてないが
楽しかった事は
記憶に残っている
お前が先にいる
俺は追いかけていく
生きていく。
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