子供達の学問を閉ざし
パチンコ屋は釘を閉ざし
老人たちの金を巻き上げる
密集された部屋に集うのは誰
必ずしも大人の言う事が正しいとは言えない事を知る桜の季節。
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ずっと薄い靄が頭の中にあるようで
記憶は知らないまま消えていく
消えていく記憶すら忘れて
新しいものとしてまた感動している
積み重ねた痛みは
胸に溜まり
思い出すたびに締め付ける
時々動けなくなり
いくら寝ても痛みが治らない
それでも生きるのは
諦めではなく切り替えだと
前を向いて生きる。
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カルチャーが死んでいく
カルチャーが死んでいく
カルチャーが死んでいく
カルチャーが死んでいく
カルチャーが死んでいくから見ない聞かない歌わないからごらんみんなのっぺらぼうだ顔がない顔がない顔がないよカルチャーがカルチャーがカルチャーがカルチャーがカルチャーが死んで死んで死んでる。
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エンタテーメントが終了宣言を言わされてアーティストは日常に放り出される。普通と普通じゃない境目を縫い付けていた糸は切れてほつれた場所から才能が落ちていく。
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乳首ばっかり責める大人になるなと教えてくれる大人が一体どれだけいるのだろうか?
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子供の時から
金玉を握ると落ち着く
ダンボのように
空を飛ぶ妄想で遊んだ
近所の女の子に
公園の砂浜で
金玉を叩かれて
砂だらけに悶えて泣いた日
初めて恋をした
時が経ち
金玉の筋をなぞる風俗嬢に
一緒に逃げないかと告白した
金玉を握り
君の手を握った。
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深夜に目が覚めると天井が見える。
人生の半分は過ぎたのだろうか、
色んな天井を見てきたけど、
起きた時に好きな人がいる時間は、
まだ人生の半分も経ってない。
一人きりで死ぬ時は何もない天井なのか、
青空なのか、雨空なのか、満天の星空なのか、わからないけど、
君の顔を見て
また眠りたい。
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無菌室の窓越しから君を愛するより
一緒に手を繋いでいる時間が欲しい
なにも言わないまま
いかないでほしい
太陽の下で
黙って
水没するような災い
マスクの下で
口を閉ざす
音が消えていく
音が消えていく
誰もが笑うことを
恥ずかしいと思う
みんな手を洗っている。
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花は枯れていく
水をやらないとではなく
時と共に枯れていく
きっと眺めている時間よりも
長い時間
放置して
そのままにしていた事のほうが
大事な事なのに
咲いていた一瞬だけを焼き付けて
心の中で
眺めている時間のほうが
いちばん長くて
匂いや
肌も
触れない花を眺めて
綺麗だねと
子供達は呟く。
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躁や鬱を繰り返して
離れたり近づいたりする
惑星のような関係や
彗星のような関係も
みんな宇宙の中に漂って
生まれたり消えたりして
そんな風に繰り返して
話したり沈黙したりする
きみの心に寄り添う軌道はまだ届かないけど
大気圏に突入するような燃え盛る思いは
まだ胸の中に残っている。
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