俺の寝床は
秋になると大勢の奴らが踏み散らし
大きな足で踏んでいく
みんなそそくさと寝床を踏み散らし
大きな足で行っちまう
何で秋になると俺の寝床は踏み散らされるのか
ちっとも解らないし
なんで踏まれると
俺は屁をする癖があるのかちっとも解らなかったが
みんな気付かず
すたすたすたすた行っちまうから俺は考えるのを止めて屁をプープーして寝ていた
そんな秋の日
俺はいつものように寝ていた
すると足音が聞こえてきた
その足は俺を踏み付けた
俺はいつものように屁をプーとした
どうせ気付きはしないだろうと俺はその足を気にも止めなかった
すると踏んだやつは大声で
「くさーい」
と騒ぎ始めた
いつも気付かないのにわめいてやがる
俺はびっくりして上を見上げた
それは小さな子供だった
その子は無邪気に笑っていた
俺は声をかけた
「おじちゃんがわかるのかい?」
子供は鼻を摘みながら答えた
「ぎんなんだよ」
そうか俺はぎんなんだったんだ
俺は謎が解けたのが嬉しくてまた屁をプーとした
子供はまた無邪気に笑った
上を見上げたら
イチョウの木は恥ずかしくて顔を赤らめてるようで
俺も笑った。