例えばそれが詩というか。

ネット詩人、5or6。若いミュージシャンを応援したり、ラーメン食べたり、詩を書いたり。

はーとぶれいく。

https://soundcloud.app.goo.gl/gsaQ5Pp2iN8jSQ677

朝焼けの瞼が張り付いたから
小さな少年のような少女だったアーティストの声をネットラジオで聴いていた
人気の無い社員旅行は東京ソラマチならぬ東京クソアチとオヤジギャグを何回も繰り返すクソリプをあげて観光する八月にふらつきながら電車に乗り五分おきに到着する新宿に降りアルタ前を歩いていた時に舞ってきたコピー用紙を拾った
そこにはビッシリと芸能人の名前と隠語が書き連ねていた
二、三行読んだだけで飲みすぎの頭にテキーラを流し込まれるような思想が中枢にダイブする
普通は拾わないものを拾いホテルに戻るのは何の為だろう
きっと文字に侵される事をただ願い
文字に裏切られても苦にならない
鈍感ながらも絶望を何度も味わいながら詩を書いてきた自分だからわかる何かをもう一度つかみ取ろうとしたのかもしれない
が何度見ても頭がおかしくなりそうだったのでゴミ箱に捨てた
きれいさっぱり捨てた
こんな純正なイかれた文書は初めて見た
多分この文章を何回も音読させたらどんな機密情報も漏らしてしまうのではないだろうか
やっぱり持ってようか
いやこんなのを同僚に見つけられたら今後の人生終わりだ
いや待てよ実際こんなに人の精神を異常にさせるような文才を求めるように詩を求めてきたのでは無いだろうか
いや無いな
しかしでは何のために自分はこんなに詩を書いているのだろうか
いやこれは詩ではなく
今まで書いてきたものも詩ではなく
ただの駄文であり
アルタ前で拾ったコピー用紙のような代物と同じようなゴミクズであり
便所の落書きであるかも
しれない
しかしこのコピー用紙は自分の文章よりも確実に他人の精神を崩壊させる文であることは言うまでもない自覚せよ!この文章は
お前には
書けないことを
そう書けない書けないこんな頭のおかしい文章を書く勇気も才能も無いクソミソのダメ人間なんだそんな自分を認めたくないからこそネタにして卑下にしてゴミ箱に捨てたかったのだろう
ああ、なんて卑しい心なんだ
悲しみにくれながらポッキーをリス食いしてネットラジオを聴いていた
二曲目は向井さんのはーとぶれいくが流れた
窓のカーテンを開けるとビルの窓が光っていた
二十代はこの街にいた
今は家族がいる
地元にいる
それで幸せでいいじゃないか
時計を眺めると
深夜四時
二度寝には最悪だが
ネットラジオのライブは良くて
気軽にチャットで会話も出来て
そのまま朝を迎えてしまった
質問をしたくても出来なかったリアルより
朝焼けの寝起きで軽快に話せるネットが楽だ
気持ちはいつでも二十代で
肉体はすでに老化している
パンツ一枚でユニットバスに入ると換気扇からタバコの匂いがした
土産は何にしよう
腹減ったな
朝イチからのヘルスは
今はもう無い
帰り道にちらっと見たら時間帯が変わっていた
代わりに個室ビデオが増えていた
個人の部屋が広がり街になっていた
あんまり固く握ると
大事な時に
中落ちするんだぜ
少年と青年と中年の狭間でチャットする
電子の棘で目が覚める