例えばそれが詩というか。

ネット詩人、5or6。若いミュージシャンを応援したり、ラーメン食べたり、詩を書いたり。

崎山蒼志との出会い その2.〜諭吉佳作/men編〜

f:id:dai5or6:20190309221336j:plain

トップバッターは諭吉佳作/men、だった。事前にツイッターで調べている中、eggsというインディーズのミュージャンを集めて音源を発表しているサイトに一位の子が静岡の少女で一人で音源を作っている事を知った。しかも崎山蒼志と知り合いらしい。早速eggsというギャル雑誌のような名前のサイトで検索する。までもなく、燦然と一位に輝いている彼女の音源を聴いた。これまた度肝を抜かれた。位相といい、音量と音質のバランスといい、随所に交わる生活音といい、曲の展開、も、いや、一番に驚いたのは既に音の引き算が出来ている事だった。理論とかコード進行とかルートとか関係なく、必要なビート、メロディが頭の中で完成されていて、且つ、それを表現出来ている。プロミュージャンでなければ表現できないであろう音を楽器を弾けない少女が作っているのだ。こんな奇跡に近い音を生み出す必然性をアイフォンという機械、アップルには備わっていた。そこでアプリを使い、曲を作っているのを記事を見て知ったのだが、俺は信じられなかった。アプリを使うのは誰だって出来る。しかし、こんな音を指先で、携帯アプリで、出来るのかい?出来んのかよ、そんな輩、出て来いや!そんな高田延彦ばりの勢いだけでも出来ない。俺もやってみたが無理だった。つまり、この音こそ、クリエイターに最適なコンピューターを14歳にして手に入れていて自由に操作し、インターネットを使って自由に発表出来る時代の音楽。つまり、今の音楽なのだ。だからこそ、彼女の音楽にハマり、今の若者たちは彼女の曲を一位にしたのだろう。ふむふむ、と非常口を聴きながらポッキーをリス食いして納得した事前調査。それを経て、今、諭吉佳作/menを目にしてドキドキしているオジさんがいる。彼女の声は本物なのか?周りをみるとそんなには客は居ないがそれでもステージ前は埋まっていた。さすが、音楽の街、浜松。人も温暖な気候の静岡人特有のほんわか空気を、醸し出していて笑顔の人が多い。グルっと後ろをみると普通にギターを担いだ崎山蒼志が立っていた。鼻水が出そうになった。本物だが本物の高校生、何にもオーラを感じない普通の少年だった。彼も諭吉佳作/menを見ようとしているのだろう。知り合いの方と話したり笑ったりしていた。やっぱり天才とかいってもこんな感じか、とホッとしたりなんかシラけたような感じになり、緊張感も解けてリラックスが出来た。ステージを向き、諭吉佳作/menを観た。木の椅子やオイルタイマーや黒板に自分の名前を、書いた物を飾って自分の空間を演出しようとしている。が、いかんせんまだ、完成されてないという不安定さも伝わった。MCは苦手のようだがまだ若いしな、うんうん、と思って音を、待つ。その時に、ハンチング帽を被った人がせわしなくマイクを調整したりミキサーに話したりしていた。多分、彼がこのイベントの主催者だな、と勝手に決めつけて様子を見ていた。後に、彼が崎山界隈で有名となるボンゴさんと知るわけなのだが、それはまた別の話にて、とにかく準備が整い、イベントが始まった。諭吉佳作/menの打ち込み音が浜松の街を鳴らす。辺りが彼女の世界観に、変わった。一曲目、5115、14歳最後の年と15歳最初の年、15歳を見つめているのか、背中合わせなのか、鏡の前なのか、中なのか、蝋燭の火のように揺れ動くピアノのメロディーと弾けるビートが心地よい、自分も楽曲の中で一番好きな曲から始まって胸が踊った。声も音源そのまま、加工なしでピッチも良い。低音も中森明菜を彷彿させる色気、時折みせる、椎名林檎チルドレンな発声、凄い。マジで中学生なのか?歌だけ聴いたらとても解らない。話すとしどろもどろな中学生。歌うとミュージャン。成る程、憑依型だな。曲の中、オイルタイマーを動かしたりしている。その色はエメラルドグリーンで、その光景から俺は彼女の色はエメラルドグリーンと認識してしまった。実際、フライヤーや、衣装やアートもグリーンを多用しているので作戦通りだったのかもしれない。続いて二曲目、Night Pool.じわじわと水面が上昇するような音から始まる恋の歌。夜のプール、

俺は岩井俊二監督作品の打ち上げ花火、下から見るか、横から見るかの最後のシーン、ヒロインが夜の学校のプールに飛び込み、主人公と戯れるシーンを思い出す曲。

  1. そして三曲目、突然の受胎に戸惑う少年の心を描いたような作品。告知、これ以降、香りの公園まで披露しないレアな曲となる。四曲目、水槽のガラスだけだよ、これは有名なコイン音が入っている名曲。この曲で未確認フェスティバル2018審査員特別賞を取ったと言っても過言では無いと思う。そして、ラストは代表曲となる、非常口。初ライブで神セトリを聴いた俺はこの日から彼女のライブを追いかけるようになるのだった。
  2. 続く二人目のアーティストは、おおたりお。
  3. まさかこの時、俺は彼女を全く知らなくて興味も無かったのだが、後にゴロ爺と自ら呼ぶ程に彼女推しになってしまうとはこの日、想像すらしてなかったのだった。
続く。