例えばそれが詩というか。

ネット詩人、5or6。若いミュージシャンを応援したり、ラーメン食べたり、詩を書いたり。

崎山蒼志との出会い〜国と群れ編〜

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二日前から四十度近くの熱を出し、仕事の講習もありライブは諦めていたのだが、前日の夜に復活し始めて会社の方を辞めてライブを選んだ。それほどまでにこの初ライブは特別だと感じた。 まだ崎山君を知って一年も経ってないが、思い出は今まで通ったライブよりも通ったし、一番残っている。身体はまだ体力がなかったがインフルエンザでない事を確認したし、大丈夫だろうとマスクをして浜松の窓枠に向かう。途中の電車の中で数々のライブを思い出していた。 沢山のTwitter仲間が出来た。嬉しかった。交流も出来る様になった。浜松を歩きながらYouTubeで見た場所をなぞる。そして会場に到着して中に入る。前の方だったが前から知っている方と交換した。俺は手すりの外で彼を見た。アルバムの中からの曲を演奏する。彼の演奏は毎回色を変える。今回の彼は青白く燃えていた。いつも三十分しか聴いてなかった彼のライブ。俺も最初は普通に聴いていた。弱った身体でも心は踊っていた。身体も少し大きくなっていて、声変わりも安定していた。三十分が過ぎて新しい曲を演奏する。ツアー前に買ったダンエレクトロを弾く。そして遂に俺の前に深い霧に包まれた森林が見え始めてきた。その空気は湿っていた。小さな小屋の中に彼はいた。一人きりだった。何かを必死に描いている。絵だ。一枚の絵に蒼い絵の具を使い、作品を描いている。そのタイトルは日常だった。彼は彼を描いていた。誰も居ない部屋で一人で描いていた。ブラックリバーブ、youth/picnic、踊り、この作品の美しさに俺は涙が止まらなかった。一時間、マスクの下に流れる涙をそのままにして彼を見ていた。どうして事線を揺らすのか、過去に取り残された俺の日常を上塗りするような蒼い光に俺は遂に、答えを見つけた気がした。その答えが何かを告げる気は無い。ただ涙を流して彼を見ていた。ラストに近づき、俺の好きな曲が流れた。undulation、願いが願いのまま終わるなんて嫌だな でも僕はそれを感じながら生きていくのだろうそんな風に寝返りをうつ僕に 藍色の世界が微笑む。確かに微笑んでいる気がした。そしてそのまま、眠りにつく前にを演奏する。彼の成長がわかる曲。ライブでこんなに泣くのは初めてだった。熱で弱っていたのか、はわからない。だけど、このライブで俺は浄化された気がした。ラストの国で終了して俺は足早にライブ会場を後にした。 一人の天才の才能をたった一人で一時間半も凡人が受け続けると精神がトリップする。そんな経験はそうはない。中学生の頃、東京ドームで聞いたプリンスのコンサートもそうだった。崎山蒼志のライブ。みんなも是非見てほしい。今、瞬間の輝きが永遠に心に響き、刻む、はずだ。

とおとうみの国編に続く。