四月に 雪が降ることが 当たり前になった時代から 四月に 雪が降ることが 特別だった時代に戻って 残された音楽を聴きながら 振り向かない背中を 眺めている
届かない指先なら もう一つの指先を伸ばす 繰り返す幻想の波と 呼び戻す現実の声が 降りしきる雨の中で 流れている
強烈な個性は精神を痺れさせる どんな毒でもいつかは抗体が生まれ 消えていくものだけれど あなたが与えた毒だけは いつまでたっても消えることなく 赤と青の交わる魂の中で 紫色に染めている
たとえ 四月に 雪が降ることが 当たり前になった時代でも きみはきみのままで、 と 教えてくれた